新年会の進行と挨拶を例文付きで解説!
進行・挨拶

新年会の進行と挨拶を例文付きで解説!

新年会は、仕事始めの節目としてチームの結束を深めたり、上司や同僚との関係を和やかに築いたりできる大切なイベントです。とはいえ、幹事や司会に任命されると、「どんな順番で進めればいい?」「挨拶って何を話せばいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。特に初めての担当だと、当日の緊張や準備の不安を感じやすいものです。

本記事では、新年会の基本的な進行の流れから、幹事・社長・来賓など立場ごとの挨拶のポイント、さらにはそのまま使える台本・セリフ例まで丁寧に解説します。ユーモアを交えた一言や、万一のトラブルへの対応術もご紹介。安心して進行できるよう、実践に役立つ内容をまとめました。

新年会の流れ

新年会の進行は、参加者にとっての印象や満足度に直結します。基本的な流れを把握しておけば、当日の準備や司会進行もスムーズに進められます。形式に合わせて調整は必要ですが、一般的な流れは以下のようになります。

基本的な新年会の進行の流れ

  • 受付開始
  • 開会宣言
  • 主催者または幹事による開会挨拶
  • 代表者または来賓による挨拶
  • 乾杯の音頭
  • 歓談・食事・余興・ゲームなど
  • 中締めや挨拶
  • 閉会の言葉

まず受付では、参加者に混乱が生じないように名簿や会費リストを準備し、受付担当と案内係を明確に分けて対応します。上着や荷物の預かり案内、会場内の座席誘導なども事前に決めておくと安心です。

開会後は司会が一言挨拶を行い、続いて幹事が新年会の目的や進行予定を簡潔に伝えます。次に、社長や役員、来賓の方に新年の挨拶をしてもらう流れとなります。これらのスピーチは事前に依頼し、目安となる時間も伝えておきましょう。

乾杯をきっかけに場が和やかになったら、歓談や余興へと進みます。盛り上がりの様子を見ながら、予定通り進行できるよう時間管理も欠かさないようにします。

終盤では中締めの挨拶を上司に依頼し、締まりのある雰囲気をつくります。最後に幹事が簡潔な挨拶を行い、一本締めなどで全体をしっかりと終わらせることが大切です。こうした丁寧な準備と流れの把握が、安心感のある新年会の進行につながります。

立場別の挨拶ポイント

新年会の挨拶は、話す人の立場によって伝えるべき内容やトーンが大きく変わります。幹事は会の流れを整える役割、社長は方針や想いを伝える役割、来賓は感謝や祝いの気持ちを届ける役割と、それぞれの立場に合った言葉選びが求められます。ここでは代表的な3つの立場別に、挨拶のコツや内容のポイントを紹介します。

幹事

幹事の挨拶は、新年会の導入部分にあたるため、会全体の雰囲気を左右します。長くなりすぎず、明るく簡潔にまとめることが求められます。自己紹介を交えつつ、集まったことへの感謝や新年の抱負を簡単に伝えましょう。

挨拶の冒頭では「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます」と丁寧に感謝を述べます。その後、「本日は日頃の労をねぎらい、皆さまと楽しい時間を共有する場として新年会を企画しました」と目的を説明します。

次に、「今年も皆さまの健康と飛躍を願いながら、楽しい時間をお過ごしいただければと思います」と明るくまとめると、会全体の印象が和らぎます。また、「進行などで至らぬ点があるかもしれませんが、温かく見守っていただければ幸いです」と一言添えることで、参加者との距離も縮まります。

挨拶後は、乾杯までの進行に関する案内や、スケジュールの簡単な説明を行うと親切です。例えば「このあと、社長からご挨拶をいただいた後、乾杯となります。その後はお食事や余興をお楽しみください」と流れを伝えることで、参加者が安心して過ごせます。

幹事は会の裏方でありつつ、最初に話す立場でもあるため、笑顔と明るい声を意識して、緊張をやわらげることが大切です。

社長

社長や役員による挨拶は、新年会の中でも特に注目される時間です。会社の代表として話す立場であるため、格式を意識しつつも、社員との距離を縮められるような言葉選びが求められます。

冒頭では「新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」と年始の挨拶を丁寧に述べます。その後、「昨年は皆さんの努力のおかげで多くの成果を上げることができました」と社員への感謝と労いの言葉を続けると好印象です。

次に、「今年は◯◯という方針で、さらに成長できる年にしたいと考えています」と簡潔に会社の展望を伝えましょう。業績の話に偏らず、社員一人ひとりの活躍に期待している姿勢を見せると、聞く側も前向きな気持ちになれます。

また、「今日は仕事を忘れてリラックスして楽しんでください」と場の空気を和らげる一言を入れることで、会がよりなごやかになります。社長の挨拶は堅くなりがちですが、少し砕けた表現を取り入れると、親しみやすさを演出できます。

最後に「本年も皆さんにとって実り多き一年になりますよう、心よりお祈りしております」と結びの言葉で締めると、整った印象を残せます。全体として3〜5分以内におさめるとスマートです。

来賓

来賓の挨拶は、会社や団体の外部からのゲストとして、新年会に華を添える重要な役割を担います。形式や言葉遣いには一定の礼儀が求められますが、堅苦しくなりすぎず、温かさや人柄が伝わる内容が喜ばれます。

冒頭では、「新年あけましておめでとうございます。本日はこのような席にお招きいただき、誠にありがとうございます」と感謝の言葉をしっかり伝えます。招待に対する礼を述べたうえで、「皆さまの日頃のご尽力に敬意を表します」と、参加者への労いの言葉を続けると自然な流れになります。

中盤では、「昨年も貴社のご活躍が大いに話題となり、私どもも大変励みになりました」など、企業や団体へのリスペクトを込めたメッセージがあると好印象です。業務上のつながりや実績、今後の期待などに軽く触れると内容に厚みが出ます。

締めくくりには、「皆さまにとって本年がさらなる飛躍の年となりますことを、心よりお祈り申し上げます」と挨拶をまとめると、きれいに締まります。長くなりすぎず、2〜3分を目安に構成すると、全体の流れも滞りません。

来賓としての立場を意識しつつ、温かく前向きな言葉を届けることで、場の雰囲気がより引き締まり、新年会の印象が格段に高まります。

困った時に使える台本・セリフ例

挨拶の準備をしていても、当日に緊張して言葉が出てこなくなることは誰にでもあります。そんなときに役立つのが、あらかじめ用意された台本や定番のセリフです。ここでは、開会や乾杯の場面で使える挨拶例を紹介します。必要に応じてアレンジし、自分らしい言葉に整えることで、落ち着いて話すことができるようになります。

開会宣言・開会挨拶の例文

開会宣言と開会挨拶は、新年会のスタートを飾る大切なひと言です。あまり堅くなりすぎず、明るく簡潔に会の目的を伝えると、全体の雰囲気も和らぎます。

【開会宣言の例】
「皆さま、お揃いのようですので、これより○○株式会社 新年会を開会いたします。本日はご多忙の中ご参加いただき、誠にありがとうございます。」

【開会挨拶の例】
「改めまして、皆さま、あけましておめでとうございます。本日はお忙しいなか、新年会にご出席いただき誠にありがとうございます。幹事を務めております◯◯と申します。

日頃のご尽力に感謝を込めて、そして新たな一年のスタートを祝う場として、皆さまと一緒に楽しい時間を過ごせるよう企画いたしました。

短い時間ではございますが、美味しい食事や企画をご用意しておりますので、仕事のことはひとまず忘れて、ゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。

なお、本日の進行について簡単にご案内いたします。このあと、社長よりご挨拶を頂戴し、乾杯へと移ります。乾杯のあとは歓談と余興の時間をご用意しております。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。」

開会挨拶は3分以内を目安にまとめると、聞き手の負担になりません。

乾杯スピーチの例文

乾杯のスピーチは、会の雰囲気を一気に盛り上げるタイミングです。挨拶を任された場合は、年始のご挨拶と今後の展望を簡潔に盛り込み、明るく前向きな言葉で締めくくると好印象を与えられます。

【乾杯スピーチの例】
「皆さま、あらためまして、新年あけましておめでとうございます。乾杯のご発声をさせていただきます、◯◯部の◯◯です。

昨年は社内外ともに多くの変化があり、忙しい一年だったかと思いますが、皆さまのご尽力により、無事に一年を締めくくることができました。この場を借りて、心より感謝申し上げます。

2024年は、私たちにとってさらに挑戦の年になるかもしれませんが、力を合わせて乗り越え、実りある一年にしていきましょう。

今日は、おいしい料理や楽しい企画をご用意いただいております。皆さまにとって、心から笑って過ごせる素敵な時間になりますよう願っております。

それでは、皆さまのご健康とご多幸、そして会社のさらなる発展を祈念いたしまして──乾杯!」

声のトーンを明るく、テンポよく進めることで、会場の空気を一気に温めることができます。

挨拶を行う際に注意点はある?

新年会での挨拶は、場の雰囲気をつくる重要な要素の一つです。内容だけでなく、話し方や振る舞いによって相手に与える印象が大きく変わります。スムーズな挨拶のために、いくつかのポイントを意識しておくと安心です。

まず意識したいのが「話す時間」です。長すぎる挨拶は聞き手を疲れさせてしまうため、2〜3分以内に収めるのが理想的です。要点を絞り、簡潔にまとめることで伝えたいことがしっかり届きます。

次に「話すスピードと声の大きさ」にも気を配りましょう。緊張すると早口になりがちですが、ゆっくりと間を取りながら話すことで落ち着いた印象を与えます。声が小さいと聞き取ってもらえないため、マイクを使う場合でもはっきりと発音することを意識してください。

言葉選びにも注意が必要です。社内行事とはいえ、砕けすぎた表現や個人を揶揄するような言い回しは避け、丁寧で前向きな内容を心がけましょう。特定の業績や部署に偏りすぎる話題も、聞く人によって温度差が出やすいため配慮が必要です。

また、挨拶前にはマイクの位置や自分の立ち位置を確認しておくと、当日の動きがスムーズになります。全体を通して、落ち着いた態度と丁寧な言葉づかいを意識することが、信頼感と安心感につながります。

挨拶で場が盛り上がるコツ

新年会の挨拶は、堅苦しいだけでなく、場を温めるひと工夫を加えると一気に盛り上がります。ただの形式に終わらせず、参加者の表情がほぐれるような挨拶を意識することが、印象に残る会づくりにつながります。

まず効果的なのは、「その場ならではの話題」を取り入れることです。たとえば「今年は新しいプロジェクトも始まり、社内でもドキドキとワクワクが混在していますね」といった、共感を呼ぶ一言があると自然に笑顔が生まれます。

過去の思い出や印象的な出来事に触れるのもおすすめです。「昨年の新年会では、◯◯さんが一発芸で会場を沸かせてくれましたね」といった回想は、聞き手の関心を引きやすく、和やかな雰囲気がつくれます。

軽いユーモアを交えるのも効果的ですが、内輪ネタや行き過ぎた表現には注意が必要です。あくまで誰もが安心して聞ける話題を選ぶようにしましょう。

さらに、挨拶の最後にポジティブな言葉を添えることで、参加者の気持ちを明るく前向きにできます。「今年も笑顔で仕事に取り組み、良い一年にしましょう」といった締めくくりは、新年らしい爽やかな印象を与えます。

挨拶は雰囲気づくりの第一歩です。少しの工夫で、大きな好印象につながります。

場を和ませる一言・エピソードの入れ方

挨拶の中で少し笑いが起こるような一言や、共感を得られるエピソードを入れることで、会場の空気がふっとやわらぎます。緊張しがちな新年会の冒頭でも、参加者との距離をぐっと縮めることができます。

効果的なのは、季節や時事に絡めた話題です。「年末年始はつい食べすぎてしまい、体重計を見るのが怖い年明けでした」といった軽い自己開示は、誰もが共感しやすく、笑いも取りやすいネタです。

また、会社での小さな出来事や、仲間との日常的なやり取りも温かみが出ます。「年末の大掃除では、◯◯部長が一番張り切っていたのが印象的でした」など、当たり障りのない話であれば、上司の名前をさりげなく出すのも効果的です。

ただし、特定の個人をいじるような発言や、社内の内輪ネタすぎる話題は避けた方が無難です。笑いを狙うよりも、「ほんの少し場がやわらぐ」程度を意識すると、誰にとっても心地よく聞ける内容になります。

最後に、「皆さんが笑顔で帰れる会にしたいと思っています」といった一言を添えることで、安心感とあたたかさを感じてもらえます。形式的な挨拶にひと工夫加えることで、自然と場の雰囲気が和らぎます。

トラブルが起きたらどうする?

どれだけ準備を重ねても、新年会当日は予期せぬトラブルが起こることもあります。マイクの音が出ない、進行が遅れる、資料が表示されないなど、現場では小さな混乱がつきものです。慌ててしまうと会の雰囲気に影響が出てしまうため、幹事や司会は冷静に対応することが求められます。ここでは、よくあるトラブルへの対処法をシーン別に紹介します。

オンライン併用・マイクトラブル時の対応

近年は、会場とオンラインをつなぐ「ハイブリッド型」の新年会も増えてきました。便利で参加しやすい反面、通信や機材に関するトラブルも起きやすくなります。事前準備と想定力が、当日の対応力を左右します。

まず、オンライン配信がある場合は、当日の2〜3日前までに必ず機材テストを行いましょう。音声や映像の確認だけでなく、ZoomやTeamsなどのツールの操作も含めてリハーサルを行うと安心です。

マイクが使えない、音声が途切れるといったトラブルが発生した際は、慌てずに一度シンプルに案内を入れましょう。「少々音声トラブルが発生しておりますので、少しお待ちください」と一言加えるだけで、参加者の不安は大きく軽減されます。

予備のマイクやスピーカーを準備しておくことも大切です。会場によっては有線マイクを用意してもらえる場合があるため、事前に相談しておくと対応の幅が広がります。

また、オンライン参加者には、資料の共有やスケジュール案内をチャットでも送っておくと、トラブル時の情報伝達がスムーズになります。万が一の回線不調にも備えて、簡易な進行メモをPDFで配布しておくと安心です。

進行がずれたときのリカバリー方法

会が始まってしまうと、予定通りに進まないことも少なくありません。挨拶が長引く、余興の準備が遅れる、トラブルで予定がずれるなど、さまざまな要因でスケジュールに乱れが生じる場合があります。こうした事態に備えて、事前に「余白」と「柔軟性」を組み込んでおくことが大切です。

まず、進行表は詰め込みすぎないようにしましょう。各セクションの間に5分〜10分の予備時間を設けておくことで、ずれが生じても調整しやすくなります。特に乾杯の前後や、余興と中締めの間などは、調整しやすい区間として活用できます。

進行が遅れている場合は、司会者が軽く状況を伝えながら場をつなぐと、参加者の不安をやわらげることができます。たとえば、「予定より少し押しておりますが、次の○○に移らせていただきます」と一言添えるだけで十分です。

逆に早く進みすぎてしまった場合には、歓談の時間を延ばしたり、軽いトークや紹介コーナーを挟んだりして、自然に時間を調整しましょう。幹事や司会が臨機応変に対応できるかどうかが、安心感につながります。

進行がずれることは珍しくありません。大切なのは、その場の雰囲気を壊さずに流れを戻す工夫と心構えです。

まとめ|挨拶も進行も準備が命!

新年会は、1年の始まりを明るく彩る大切なイベントです。だからこそ、挨拶や進行はその場の雰囲気を左右する大きな要素となります。形式的にこなすのではなく、少しの工夫や心配りを加えるだけで、参加者の印象はぐっと良くなります。

幹事や司会を任された方は、事前の準備と段取りを丁寧に行うことが、当日の安心感につながります。特に、話す順番・時間配分・台本の用意は、トラブル回避にも効果的です。

挨拶に自信がない場合でも、基本的な流れと例文さえ押さえておけば心配はいりません。場を和ませる一言や小さなエピソードを交えるだけで、堅苦しさがやわらぎ、印象深いひとときになります。

慣れていない方ほど、「準備」が一番の味方です。安心して本番を迎えられるよう、しっかりと備えて、笑顔で締まる新年会を演出しましょう。

関連記事:初めて新年会で幹事に!失敗しない準備の進め方